平成30年度建築物の環境衛生「過去問題解説3」
問題31
二酸化炭素に関する次の文章の[ ]内に入る数値の組合せとして、最も適当なものはどれか。
大気中の二酸化炭素濃度は[ ア ]ppm程度である。建築物衛生法では、室内の二酸化炭素の含有率の基準は[ イ ]ppm以下と定められている。
-
ア イ
- 100―――――1,000
- 400―――――1,000
- 400―――――5,000
- 4,000――――5,000
- 4,000――――10,000
答え【2】
大気中の二酸化炭素濃度は[ 400 ]ppm程度である。建築物衛生法では、室内の二酸化炭素の含有率の基準は[ 1000 ]ppm以下と定められている。400ppmとは0.04%
二酸化炭素含有率はビル管理法では環境衛生基準では1000ppm以下です。ただ、ここで注意があるのですが、ビル管理法では二酸化炭素含有率は1000ppmですが、
- 事務所衛生基準規則では5000ppm以下
- 空調設備を設けている場合はビル管理法と同じ1000ppm以下
参考資料
参考資料の提供先
- 令和2年問題29
- 平成29年問題33
- 平成27年問題30
問題32
騒音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 騒音によっておこる4,000Hz付近の聴力低下を、C5ディップという。
- 大きく高い騒音に一時的に曝露されることによる聴力の低下を、一過性聴力閾値低下という。
- 騒音によって、抹消血管の収縮、血圧の上昇、胃の働きの抑制等が起きる。
- マスキング効果は、マスクされる音の最小可聴値の音圧レベル上昇量で示される。
- 騒音による永久性難聴の程度や進行具合には、個人差が大きい。
答え【2】
(2)が不適当です。大きく高い騒音に一時的に曝露されることによる聴力の低下を、一過性聴力閾値上昇という。 大きく高い騒音に一時的に曝露されると一時的に聴力は低下しますが、静かな環境に戻ると回復します。しかし、この状態が長く続くと聴力低下は進行し・慢性化、永久性の聴力低下となる。
これを永久性聴力閾値上昇という。
C5デップ
- 騒音性難聴(職業性難聴)の初期の特徴、縦軸に聴力レベル、横軸に
周波数をとってグラフ(オ―ジオグラム)で聴力を調べると5番目のCの音付近(およそ4000Hz)付近の聴力が低下し、
グラフにくぼみができることから騒音性難聴の特徴をC5デップという。
これを見れば4k付近でくぼみができでいるのがわかります。
上記図は覚えよう
- 平成29年問題34
- 平成27年問題33
問題33
光の知覚に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 視力はランドルト環の切れ目を見ることで測る。
- 杆体細胞は暗いときに働き、錐体細胞は明るいときに働く。
- 明るい場所から暗い場所への順応を暗順応といい、完全に順応するには40分以上かかる。
- 視細胞には杆体細胞と錐体細胞があるが、数は錐体細胞の方が多い。
- 照明の質を高めるには、グレアを防止することが必要である。
答え【4】
600万固の錐体細胞が分布し、その他の周辺部を1億2500万固の杆体細胞が占めている。圧倒的に杆体細胞が多い。
グレアとは、不快感や物の見えづらさを生じさせるような「まぶしさ」のことをいう。
- 杆体細胞は暗い時に働く
- 錐体細胞は明るい時に働く
- 視細胞の数は杆体細胞が約1億2,500万個に対し、錐体細胞は約600万個存在し、圧倒的に杆体細胞の方が多い。
- 視覚の、暗い所から明るい所への順応を明順応という。(順応に2分程度要する。)
- 視覚の、明るい所から暗い所への順応を暗順応という。(順応に40分程度要する。)
- 令和元年問題32
- 平成29年問題36
- 平成27年問題34
問題34
VDT作業と健康に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- エアコンからの風が当たる場所では、ドライアイを引き起こす可能性がある。
- ディスプレイ画面における照度は500lx以下とする。
- グレアを防止するためには、視野内の輝度はほぼ同じレベル(最大でも1:10程度)にする。
- ディスプレイ画面に太陽光が入射する場合には、カ―テンなどで調節する。
- 書類上及びキ―ボ―ド上における照度は200lx以下とする。
答え【5】
この問題は令和3年12月1日法改正されています。
ここがポイントを参照ください。
情報機器作業(VDT作業)
「VDT作業」の用語の使用をやめ、「情報機器作業」と呼ぶことになっております。
情報機器作業(VDT作業)は自ら光を放射しているので、画面照度が明るすぎると見づらくなる。
従って2019年以降の問題ではVDT作業での出題になっています。
2020年以降から情報機器作業での出題になっています。早い話が目が疲れやすくなるので以下のことに注意が必要であるということ。 情報機器作業(VDT作業)に関する問題は以下のような問題がでるので覚えよう。
- 室内は、できるだけ明暗の対象が著しくなく、かつ、まぶしさを生じさせないようにすること。
- ディスプレイ画面の明るさ、書類及びキ―ボ―ド面における明るさと周辺との明るさの差はなるべく小さくすること。
- ディスプレイ画面に直接又は間接的に太陽光等が入射する場合は、必要に応じて窓にブラインド又はカ―テン等を設け、適切な明るさとなるようにすること。
- グレアを防止するためには、視野内の輝度はほぼ同じレベル(最大でも1:10程度)にする。
- エアコンからの風が当たる場所では、ドライアイを引き起こす可能性がある。
- グレアの防止には反射型ディスプレイを用いること。
- グレアの防止には間接照明等のグレア防止照明器具を用いること。
- グレアの防止にはディスプレイの画面の位置、前後の傾き、左右の向き等を調整すること。
高齢者と情報機器作業(VDT作業)
高齢者の情報機器作業(VDT作業)については、高齢者は若者に比べて目の疲れの回復に時間がかかるうえ遠近両用メガネ等を使用すると、画面及びキ―ボ―ドが見難くなって眼疲労につながること等に、注意が必要です。
備考:グレアとは照明の非常に高い輝度や、周囲と強すぎる輝度の違いがあると、まぶしさや不快感を感じ、物が見えにくくなる現象。
「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインについて」(改正)
情報機器作業(VDT作業)の一部改正が2021年12月1日に行われました。
改正前
ディスプレイを用いる場合のデ ィスプレイ画面上における照度は 500 ルクス以下、書類上及びキーボ ード上における照度は 300 ルクス 以上を目安とし、作業しやすい照 度とすること。 また、ディスプレイ画面の明る さ、書類及びキーボード面におけ る明るさと周辺の明るさの差はな るべく小さくすること。
改正後
ディスプレイを用いる場合の書 類上及びキーボード上における照 度は 300 ルクス以上とし、作業し やすい照度とすること。
また、ディスプレイ画面の明る さ、書類及びキーボード面におけ る明るさと周辺の明るさの差はな るべく小さくすること。つまり
ディスプレイを用いる場合のデ ィスプレイ画面上における照度は 500 ルクス以下
がなくなり
書類上及びキーボ ード上における照度は 300 ルクス 以上を目安としての目安の部分も削除されています。
- 令和2年問題36
- 令和元年問題34
- 平成29年問題37
- 平成28年問題36
- 平成27年問題36
問題35
赤外線の作用による疾患に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- 熱中症
- 皮膚癌
- 無精子症
- 白血病
- 急性角膜炎
答え【1】
(1)の熱中症が正しい。
他には以下が考えられる。- 熱中症
- 白内障
- 網膜損傷
- 代謝促進
- 皮膚血管拡張
合わせて覚えましょう。
紫外線の生態影響- ビタミンD生成
- 皮膚黒色腫
- 皮膚紅斑
- 皮膚がん
- 白内障
- クル病予防
- 無精子病
- 白血病
- 電気性眼炎
- 令和2年問題38
- 平成27年問題38
買い物は楽天市場