平成30年度建築物衛生行政概論「過去問題解説1」
問題1
医学に関する歴史上の人物とその功績との組合せとして、誤っているものは次のうちどれか。
- ヒポクラテス――――西洋医学の体系の基礎を作った。
- ナイチンゲ―ル―――公衆衛生の概念を定義した。
- パスツ―ル―――――生命の自然発生説に異を唱えた。
- コッホ―――――――結核に関する研究の業績でノ―ベル賞を受賞した。
- フレミング―――――ペニシリンの発見に成功した。
答え【2】
不適当なものは(2)ですね。この問題のポイントは1つだけと思います。ビル管理士試験で公衆衛生の定義を知ってるかどうかです。
過去にもビル管理士試験でも出題されています。
公衆衛生の概念を定義したのはウィンスロ―です。
フレミングといえばフレミングの左手の法則等を発表したジョン・フレミングを思い浮かべますが、ここでのフレミングはアレクサンダ―・フレミングです。
イギリスの細菌学者。
公衆衛生の定義
公衆衛生の定義の問題を数年に1度程度の割合で出題されています。
元エ―ル大学社会衛生科教授のウィンスロ―が定義した。
ウィンスロ―の定義と呼ばれている。人間か身体的、精神的、および社会的に健康であるためには、医学をはじめとする自然科学と、法学、経済学等の社会科学をも含めた総合科学としての「公衆衛生」の取り組みが求められている。それと同時に、問題点の解明と解決に向けた実践も公衆衛生の重要な役割である。そのためには、健康と密接に関連する人々の生活を視野に入れた、社会あるいは集団を対象とした制度の導入が図られなければならない。
[公衆衛生とは、環境衛生の改善、伝染病の予防、個人衛生を原則とした個人の教育、疾病の早期診断と治療のための医療と看護サ―ビスの組織化、および 地域社会のすべての人に、健康維持のための適切な生活水準を保障する社会制度の発展のために、共同社会の組織化な努力を通じて疾病を予防し、寿命を延長し 、肉体的・精神的健康と能率の増進を図る科学であり、技術である。]
問題2
次の建築物のうち、建築物における衛生的環境の確保に関する法律(以下「建築物衛生法」という。)に基づく特定建築物に該当しないものはどれか。
- 延べ面積が4,000m2の複合型映画館(シネマコンプレックス)
- 延べ面積が5,000m2の市民ホ―ル
- 延べ面積が9,000m2の高等専門学校
- 延べ面積が9,000m2の製品試験研究所
- 延べ面積が4,000m2の地方銀行
答え【4】
(4)ですが、製品試験研究所は、自然科学系の研究所とみなされて、特定用途には含まれません。-
特定建築物に含まれる研究所
- 経済研究所
- 人文科学系の研究所
- 特定建築物に含まれない研究所
- 自然科学研究所
- 製品試験研究所
- 令和2年問題3
- 平成29年問題4
問題3
建築物衛生法に基づく特定建築物の延べ面積に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 事務所に付随する廊下、階段、便所等の共用部分は、除外される。
- 店舗ビルに隣接しているが、独立して設置された客用立体駐車場は、除外される。
- 同一敷地内に独立した複数の建築物がある場合は、一棟の建築物ごとに算出する。
- 百貨店内の商品倉庫は、含まれる。
- 鉄道の運転保安施設は、除外される。
答え【1】
廊下、階段、便所等の共用部分は、除外されません。特定建築物の面積の求め方
-
特定用途の面積=専ら特定用途の面積 + 付随する部分の面積 + 付属する部分の面積
- 付随する部分の面積(トイレ、廊下、階段、機械室などの共用部)
- 付属する部分の面積(同一建築物内の商店、百貨店の倉庫、新聞社の事務所に付属する印刷工場など)
- 平成28年問題3
- 平成27年問題3
問題4
建築物衛生法令の主な制度改正に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。ただし、記載された年については判断しないものとする。
- 昭和45年に、特定建築物の届出が厚生省(現 厚生労働省)から都道府県知事等に変更された。
- 昭和55年に、一定の人的・物的基準を要件とする事業者の都道府県知事による登録制度が設けられた。
- 平成13年に、新たに建築物空気調和用ダクト清掃業と建築物排水管清掃業が追加された。
- 平成14年に、建築物環境衛生管理基準の大幅な改正及び特定建築物の範囲の見直しが行われた。
- 平成22年に、特定建築物の届出事項に特定建築物の維持管理権限者の氏名などが追加された。
答え【1】
誤っているのは(1)です。この問題は恐らくほとんどの方が迷う問題です。
特定建築物の届出は最初から都道府県知事だそうです。
私もこの問題の出題には謎です。
問題5
建築物衛生法に基づく特定建築物の届出について、同法施行規則において規定されていない事項は、次のうちどれか。
- 名称
- 構造設備の概要
- 建築確認済みの年月日
- 用途
- 使用されるに至った年月日
答え【3】
建築確認済みの年月日は含まれません。この問題も良く出ますが、届出事項は以下の9項目なので確実に覚えましょう。
- 特定建築物の名称
- 特定建築物の所在場所
- 特定建築物の用途
- 特定建築物の延べ面積
- 特定建築物の構造設備の概要
- 特定建築物の維持管理権原者の氏名及び住所等
- 建築物環境衛生管理技術者の氏名、住所及び免状番号
- 特定建築物が使用されるに至った年月日
- 特定建築物の所有者等の氏名及び住所等
この9項目のみですのでそれ以外は含まれません。
- 令和2年問題5
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