平成29年度給水及び排水の管理「過去問題解説3」
問題116
給水設備の保守管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 貯水槽の清掃によって生じた汚泥等の廃棄物は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、下水道等の規定に基づき、適切に処理する。
- 防錆剤の使用は、配管の布設替えが行われるまでの応急処置とする。
- 管更正工法で管内に合成樹脂ライニングを施す場合には、技術評価・審査証明を受けた工法を採用するのがよい。
- ポンプ直送方式では、ポンプの停止時や性能低下時などに、下方の階の方が給水管内は負圧になりやすい。
- 配管は、管の損傷、さび、腐食及び水漏れの有無を点検して、必要に応じて補修を行う。
答え【4】
(4)のポンプ直送方式は、受水槽の水を加圧ポンプで必要箇所に直接給水する方式でポンプの停止、及びポンプの性能低下等の場合に下階にて過大に給水使用が増えた場合 上階の給水管内は負圧になりやすい。問題117
給湯設備の配管に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 逃し弁には、加熱時に膨張した湯を逃がすための排水管を設ける。
- 配管内の空気や水が容易に抜けるように、凹凸配管とはしない。
- 給湯設備における金属材料の腐食は、給水設備において使用される場合より早期に発生し、その腐食速度も速い。
- 中央式給湯方式の循環ポンプは、給湯主管に設置する。
- 業務用ちゅう房など連続的に湯を使用する給湯枝管には、返湯管を設けない場合が多い。
答え【4】
循環ポンプは、返湯管に設けます。
循環ポンプに返湯管を設ける理由は配管内の湯が冷めないようにするため。
末端の給湯栓を開けると直ぐに熱い湯が
出るようにするのが一般的です。
問題118
給湯設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 中央式給湯方式の循環ポンプの循環流量は、加熱装置における給湯温度と返湯温度との温度差に反比例する。
- ヒ―トポンプは、排熱回収用の給湯熱源機器として使用される。
- 排水から熱回収する場合は、熱効率を上げるために直接熱交換を行う。
- エネルギ―と水の節約を図るためには、湯と水を別々の水栓から出さずに混合水栓を使用する。
- 給湯配管からの放熱損失を低減するため、配管経路の短縮、配管の断熱等に配慮した配管計画を行う。
答え【3】
排水から熱回収する場合は、直接熱交換を行うと熱交換部からの腐食等により給湯が汚染される場合があるため直接熱交換はしない。間接的に熱交換をする必要があります。
(1)ですが、循環ポンプの循環水量は以下の式で求めることができます。
つまり(1)は循環量は熱損失に比例し給湯温度と返湯温度との温度差に反比例します。
問題119
給湯設備機器に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 加熱コイル付き貯湯槽は、蒸気などの熱媒が得られる場合に一般的に使用される。
- 貯蔵式湯沸器は、加熱ヒ―タ、温度調節装置、密閉式貯湯槽、減圧弁及び逃し弁で構成されている。
- ガスマルチ式貯湯槽には、小型の瞬間湯沸器を複数台連結してユニット化し、台数運転を行うものがある。
- ボイラは伝熱面積とゲ―ジ圧力などにより、簡易ボイラ、小型ボイラ、ボイラに区別される。
- 給湯用貫流ボイラは、温水を取り出す小型ボイラで、水管群により構成され耐圧性に優れている。
答え【2】
貯蔵式湯沸器は貯蔵部が大気に開放されていて、本体に給湯栓が取り付けられている。90℃以上の高温湯が得られ飲用として利用される。つまり開放式です。
(2)の説明は電気温水器の説明です。
問題120
給湯設備配管に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- ステンレス鋼管の線膨張係数は、架橋ポリエチレン管のそれより小さい。
- 銅管は、循環配管を設けない一過式配管において腐食の発生がほとんどない。
- 循環式給湯設備の下向き配管方式における給湯横主管は、1/200以上の上り勾配とする。
- 耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管は、90℃以下で使用する。
- ステンレス鋼管は、隙間腐食、残留応力腐食等による腐食が生じる可能性がある。
答え【3】
循環式給湯設備の下向き配管方式における給湯横主管は、1/200以上の下り勾配とする。上向き配管方式には上り勾配、下向き配管方式には下り勾配とします。
いずれの配管方式も容易に配管内の空気や水が抜くことができるように凹凸配管としてはいけない。
凹凸配管となる場合は、必要な箇所に水抜きの為の止水弁を必ず設置する。
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