平成29年度空気環境の調整「過去問題解説8」
問題81
室内環境の測定に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 二酸化炭素の測定には、化学発光法がある。
- アスベストの測定には、位相差顕微鏡による測定法がある。
- 浮遊真菌の測定には、フィルタ法がある。
- ホルムアルデヒドの測定には、検知管法がある。
- 花粉アレルゲンの測定には、免疫学的な方法がある。
答え【1】
化学発光法は窒素酸化物やオゾンの測定法です。二酸化炭素の測定には検知管法や非分散赤外線吸収法などがあります。
室内環境の測定
空気環境物質 | 主な測定法 |
---|---|
一酸化炭素 | 検知管法 定電位電解法 ガスクロマトグラフ法 |
酸素 | ポ―ラログラフ法 ガルバニ電池法 |
二酸化炭素 | 検知管法 非分散型赤外線吸収法 ガスクロマトグラフ法 |
窒素酸化物 | ザルツマン法 化学発光法 フィルタバッジ法 |
硫黄酸化物 | 紫外線蛍光法 溶液導電率法 |
臭気 | 官能試験 オルファクトメ―タ法 |
ダニアレルゲン | エライザ(ELISA)法 |
オゾン | 検知管法 紫外線吸収法 化学発光法 |
放射線 | シンチレ―ション検出器 |
アスベスト | X線回析分析法 光学顕微鏡法 赤外線吸収スペクトル法 |
花粉アレルゲン | 表面プラズモン共鳴法 |
浮遊微生物 | 培地法 フィルタ法 衝突法 ATP法 |
換気量 | トレ―サガス減衰法 直接風量測定法 二酸化炭素濃度減衰法 |
浮遊粉じん | ロ―ボリウムエアサンプラ デジタル光散乱型粉じん計 圧電天秤法 |
ラドン | パッシブ法 アクティブ法 |
- 令和2年問題79
- 令和2年問題80
- 令和元年問題78
- 平成30年問題76
- 平成28年問題83
- 平成27年問題81
問題82
光散乱式の粉じん計を用いて室内の浮遊粉じんの相対濃度を測定したところ、6分間当たり120カウントであった。この粉じん計のバックグランド値は1分間当たり6カウントで、標準粒子に対する感度が1分間1カウント当たり0.001mg/m3、室内浮遊粉じんに対する較正係数が1.3であるとすると、室内浮遊粉じんの濃度として、最も近いものは次のうちどれか。
- 0.010mg/m3
- 0.013mg/m3
- 0.018mg/m3
- 0.020mg/m3
- 0.026mg/m3
答え【3】
まず整理しますと今わかっているのは- 6分間当たり120カウント
- バックグランド値は1分間当たり6カウント
- 標準粒子に対する感度が1分間1カウント当たり0.001mg/m3
- 較正係数が1.3
そこで求めるのは室内浮遊粉じんの濃度?
では、求めていきます。今回使用する式は以下です。
まず今回はすでに
E:較正係数=1.3
Y:標準粒子に対する感度=0.001mg/m3
B:バックグランド値=6
については問題文からわかります。
Aについては
1分間当たりの測定カウントなので
- 6分間当たり120カウント
120 ÷ 6 = 20
になり
A=20
B=6
式に代入していくと
C=0.001 x 1.3(20-6)=0.018
になります。答えは(3)の0.018mg/m3です。
問題83
環境要素の測定に関する用語の組合せとして、最も不適当なものはどれか。
- 温度――――――熱電対
- 臭気――――――官能試験
- 熱放射-----ピト―管
- 酸素――――――ガルバニ電池
- 気流――――――サ―ミスタ
答え【3】
(3)が誤りです。熱放射の測定にはグロ―ブ温度計が用いられます。
薄銅板製の直径15cmの中空球体の表面を黒色つや消し塗し、その中心にガラス管 温度計の球部が達するように挿入したものです。
測定上の注意事項
- グロ―ブ温度計設置後示度が安定するまで15~20分間要する。
- 測定のときは、熱源と黒球温度計との間に人体や物体等が入って放射をさえぎらない。
- 気流変動の著しいところでは使用は適さない。
- 令和2年問題79
- 平成30年問題78
問題84
汚染物質とその濃度又は強さを表わす単位との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
- アスベスト――――――――本/L
- ダニアレルゲン――――――CFU/m3
- キシレン―――――――――μg/m3
- 放射能――――――――――Bq
- 二酸化窒素――――――――ppb
答え【2】
(2)が誤りです。空気汚染物質とその濃度又は強さを表す単位の問題も毎年出題されています。
今まで出題された単位の問題の総まとめです。
汚染物質 | 単位 | 出題年度 |
---|---|---|
アセトアルデヒド | μg/m3 | 平成30年 |
真菌 | CFU/m3 | 平成30年 |
アスベスト | 本/L f/cm3 f/L | 平成30年、平成29年、平成23年 平成28年 平成27年 |
浮遊粉じん | mg/m3 cpm | 平成30年 平成26年 |
キシレン | μg/m3 | 平成29年 |
放射能 | Bq | 平成29年、平成26年 |
二酸化窒素 | ppb | 平成29年、平成26年、平成23年 |
パラジクロロベンゼン | μg/m3 | 平成28年 |
浮遊細菌 | CFU/m3 | 平成28年、平成27年 |
二酸化硫黄 | ppb | 平成28年 |
トルエン | mg/m3 | 平成27年 |
ダニアレルゲン | ng/m3 | 平成27年 |
オゾン | μg/m3 | 平成26年 |
浮遊微粒子 | 個/m3 | 平成23年 |
ラドンガス | Bq/m3 | 平成23年 |
- 令和元年年問題79
- 平成30年問題79
- 平成28年問題82
- 平成27年問題82
問題85
揮発性有機化合物(VOC)測定法に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- VOCsの測定には、基本的にガスクロマトグラフ質量分析計を用いる。
- 加熱脱着法は、溶媒抽出法と比較して測定感度が高い。
- VOCsのパッシブサンプリング法は、静電気力を利用している。
- TVOCの簡易な定量には、トルエン換算法がある。
- 市販のTVOCモニタは、定期的に標準ガスによる較正が欠かせない。
答え【3】
VOCsのサンプリング法には、アクティブ法とパッシブ法があります。パッシブ法は、試料空気の採取にポンプを使用せず、分子の拡散原理によってサンプリングをする。
アクティブ法は、試料空気の採取にポンプ、積算流量計等を用いサンプリングするアクティブサンプリング法
アクティブ法とバッシブ法の違いについて説明してあるサイトがありましたので参考程度に!
- 令和元年年問題81
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