平成29年度空気環境の調整「過去問題解説7」
問題76
空気調和設備のポンプ・配管に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- ポンプのキャビテ―ションを防止するには、常に有効吸込みヘッドが必要有効吸込みヘッドより大きいことが必要である。
- 損失水頭は、管内流速の2乗に比例する。
- 水撃作用の防止には、緩閉式逆止弁を用いる方法がある。
- サ―ジングとは、脈動を伴う不安定な状態をいう。
- 渦流ポンプは、タ―ボ型ポンプに分類される。
答え【5】
渦流ポンプは、特殊型に分類されます。
他のポンプについては以下に記載しています。
(1)のキャピテ―ションとは、流体が流動しているときに、ある部分における圧力がそのときの流体温度に相当する蒸気圧力以下になると、その部分で液体は局部的な蒸発を起こして気泡を発生する。
この現象をキャピテ―ションという。
キャピテ―ションは、騒音・振動の原因になり吐出し量の低下、揚水不能の事態を招く。
また、キャピテ―ションの発生部分に激しい浸食を生じ、ポンプ寿命を短くする。
- 令和元年問題74
- 平成28年問題76
- 平成27年問題78
問題77
弁類に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- バタフライ弁は、軸の回転によって弁体が開閉する構造である。
- リフト式逆止弁は、立て配管に取り付ける。
- 玉形弁は、弁体と弁座の隙間を変えて流量を調整するものである。
- ボ―ル弁は、抵抗が少なく、流量調整ができる。
- 空気抜き弁は、配管中にたまった空気を自動的に排出する。
答え【2】
リフト式逆止弁は、水平方向に取り付けないと機能しません。
その他バルブについては以下のサイトを参照ください。
給水及び排水の管理4問題78
換気に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 換気回数とは、換気量を室容積で徐したものである。
- 温度差による換気力は、室内外の空気の密度差に比例する。
- 第2種機械換気は、汚染空気の流入を許さない手術室などの清浄室に用いられる。
- 第3種機械換気は、給気口及び排風機により構成される。
- 風力による換気力は、外部風速に比例する。
答え【5】
風力による換気力は、外部風速の2乗に比例して増加します。換気については以下を参照ください。
- 令和2年問題52
- 令和元年問題75
- 平成28年問題79
問題79
空気調和設備の維持管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 空気調和機内の細菌・真菌は、冷房期、暖房期ともに生息している。
- スライム防止、レジオネラ属菌対策、腐食防止効果をもつ多機能型薬剤は、連続的に注入するのが効果的である。
- 冷却水系のレジオネラ属菌の増殖を抑制するには、化学的洗浄と殺菌剤添加を併用するのが望ましい。
- 空気調和用ダクト内の粉じん中の細菌・真菌の量は還気ダクトより給気ダクトの方が多い。
- 冷却塔の強制ブロ―は、スケ―ル防止に有効である。
答え【4】
(4)は空気調和用ダクト内の粉じん中の細菌・真菌の量は給気ダクトより還気ダクトの方が多い。通常還気ダクトにはフィルタがないので還気ダクトの方が多いと思われます。
還気ダクト内粉じん中の細菌量、真菌量は、給気ダクト内に比較して5~10倍高い傾向にあります。 後の選択枠はそのまま覚えましょう。冷却水は空調用冷凍機等に用いられますが、その水温は一般的に10~40℃程度の範囲です。
それは、レジオネラ属菌を含めて微生物の増殖に好環境となる。
冷却水系の問題点として
- スケ―ル、腐食の発生
- スライム(バイオフィルムに発生)
- レジオネラ属菌のアメ―バ類への寄生
従って水管理がとても重要になります。
- 令和2年問題81
- 令和元年問題82
- 平成30年問題82
- 平成28年問題84
- 平成27年問題84
問題80
温熱環境要素の測定器に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 超音波風速計は、超音波の強度と気流との関係を利用している。
- 熱線風速計は、電流を通じて加熱された白金線などから気流に奪われる熱量が風速に関係する原理を利用している。
- 電気抵抗式湿度計は、感湿部の電気抵抗が吸湿や脱湿により変化することを利用している。
- アスマン通風乾湿計は、周囲気流及び熱放射の影響を防ぐ構造となっている。
- グロ―ブ温度計の示度が安定するまでには、15分~20分間を要する。
答え【1】
(1)の超音波風速計は、超音波の到達時間と気流との関係を利用しています。
- 令和2年問題78
- 令和元年問題77
- 平成30年問題75
- 平成28年問題80
- 平成27年問題79
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