平成29年度空気環境の調整「過去問題解説4」
問題61
湿り空気線図(h - x線図)を用いて相対湿度を求めるために必要な二つの項目の組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 乾球温度と湿球温度
- 湿球温度と絶対湿度
- 比エンタルピ―と乾球温度
- 露点温度と比エンタルピ―
- 絶対湿度と露点温度
答え【5】
上記湿り空気線図(h - x線図)で確認すればすぐにわかると思いますが、乾球温度、湿球温度、比エンタルピ―、絶対湿度の2つが分かれば相対湿度を求めることができますが、
絶対湿度と露点温度と水蒸気圧は湿り空気の状態量としては同じことを表していますのでこの2つが分かっても相対湿度を求めることはできません。
- 令和2年問題60
問題62
平成15年に改正された建築物衛生法施行令第2条では、「中央管理方式の」という文言が削除された。その理由や結果に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 個別方式の空気調和設備が、比較的大規模な建築物にも採用されるようになったという背景がある。
- 中央管理方式の空気調和設備は、個別方式に比べて換気量不足による室内空気汚染の発生が懸念される。
- 個別方式の空気調和設備は、湿度管理が困難で冬期に低湿度状態になりがちである。
- 空気調和方式の個別方式・中央管理方式にかかわらず、同じ管理基準で適切に維持管理される必要がある。
- 空気調和方式の個別方式・中央管理方式の区別が明確でなくなってきた状況がある。
答え【2】
この問題ですが、建築物衛生法関連政省令改正の概要に記載されている内容です。<趣旨>
特定建築物の空気調和設備及び機械換気設備の維持管理については、現行、「中央管理方式(各居室に供給する空気を中央管理室等で一元的に制御する方式)」の設備に限って、維持管理の基準が適用されることとされている。これは、昭和45年の政令の制定時には、建築物全体を同一の基準で一元的に管理することが前提とされており、中央管理方式の設備に限定することが合理的と考えられていたためである。
しかしながら、昭和45年当時には家庭用のル―ムク―ラ―として専ら利用されていた「中央管理方式以外の空気調和設備(各居室において個別に管理する方式)」が、最近は、技術改良等により比較的規模の大きな建築物においても導入されるようになっている。
また、1台の室外機により複数室の室内機に冷媒を供給する方式の空気調和設備も普及している。
一方で、中央管理方式以外の空気調和設備を設けている建築物は、現行では、建築物環境衛生管理基準の適用外とされているため、換気量が十分に確保されず、室内空気の汚染が懸念されることや十分な湿度管理が行われておらず、冬季には低湿度状態になる傾向にある等の問題が指摘されている。
このため、今般、中央管理方式以外の空気調和設備及び機械換気設備についても、中央管理方式と同様の維持管理を行うよう、維持管理基準の見直しを行ったものである。
参考サイト
建築物衛生法関連政省令改正の概要
問題63
次の空調負荷のうち、潜熱負荷を含むものはどれか。
- 構造体負荷
- ガラス面負荷
- 隙間風負荷
- ダクトにおける負荷
- ポンプによる負荷
答え【3】
隙間風負荷は潜熱負荷を含む。潜熱負荷とは冷暖房負荷のうち潜熱によるもので、水蒸気量の出入りによる増減をいう。 人体や取り入れ外気、すきま風等による水蒸気がその発生源となる。
- 令和元年年問題59
- 平成30年問題58
- 平成28年問題64
- 平成27年問題63
- 平成27年問題64
- 単一ダクト方式にファンコイルユニットを併用することで、個別制御性を高めたシステムである。
- ファンコイルユニットごとの発停が可能である。
- ファンコイルユニットは、熱負荷変動が小さいインテリアゾ―ンに配置されることが多い。
- 単一ダクト方式に比べ、空気調和機及び主ダクトの小容量化・小型化が可能である。
- ダクト吹出空気と、ファンコイル吹出空気による混合損失が発生する場合がある。
- 令和2年問題71
- 令和元年問題76
- 平成29年問題69
- 平成28年問題70
- 平成27年問題66
- 分散設置の水熱源ヒ―トポンプ方式では、一般に冷房運転と暖房運転を混在させることはできない。
- 圧縮機の駆動力として電力を用いるものと、ガスエンジンによるものがある。
- 通常は外気処理能力を持たないため、外調機などの外気処理装置と併用するなどの対策が必要である。
- 分散設置空気熱源方式のマルチ型では、1台の室外機に複数台の室内機が接続された。
- 分散設置空気熱源ヒ―トポンプ方式では、インバ―タ制御によって容量制御する機種が増えてきたため、部分負荷効率が改善された。
- 令和元年問題63
- 平成27年問題67
問題64
ダクト併用ファンコイルユニット方式に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
答え【3】
ファンコイルユニットは、熱負荷変動が小さいペリメ―タゾ―ンに配置されることが多い。ペリメ―タ―ゾ―ンとは、建物の窓および外壁に面するスペ―スのこと。
ダクト併用ファンコイルユニット方式
インテリア部分を定風量単一ダクト方式、熱負荷の多い各室ペリメ―タ部分にファンコイルユニットを配置する組み合わせ方式。
この方式は熱負荷の多い外周部分を水(ファンコイルで)処理するため、負荷変動の少ない内部負荷相当の空調機、ダクトでよく、省スペ―スに優れる。
配管を四管式(冷水・温水)にすることにより冷暖房を行うことが可能で個別制御性に優れる。
ペリメ―タゾ―ンとインテリアゾ―ンの間で混合損失が発生し、対策が必要となるケ―スがある。
問題65
個別方式の空気調和設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
答え【1】
分散設置の水熱源ヒ―トポンプ方式では、冷房時冷却水と暖房時低温温水の2系統を同一配管とし、この熱源水が採熱源として用いられれることから、再生可能エネルギ― 利用がしやすいという特徴がある。個々のパッケ―ジ型空調機が室内の熱負荷の状況に応じて冷房・暖房の自在運転が可能であるほか、同一熱源水系統内のパッケ―ジ型空調機において、冷房と暖房が混在する場合には熱回収運転が可能となるなどの特徴がある。
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