平成28年度清掃「過去問題解説2」
問題146
ほこりの予防などに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- ほこりの予防には、ほこりの侵入防止と発生防止の対策がある。
- ほこりの侵入防止には、建築物の出入口にフロアマット類を敷くことは効果的である。
- 建築物内におけるほこりは、外部から侵入した綿ほこりの割合が高い。
- 土ぼこりの除じん作業では、適切な作業回数の設定が重要である。
- 建築物内でほこりが発生する原因には、事務作業や生活動作などがある。
答え【3】
建築物のほこりは、外部から侵入した土ぼこりが多い。それゆえ、外部のほこりが浸入するのを防ぐことができれば、建築物内のほこりは軽減することができる。
ほこりの侵入経路は出入口がほとんどです。
従って建築物の出入口に適当な設計上の工夫や、何らかの手段を
講ずれば、相当な効果をあげることができる。
- 入口に前室を設ける。
- 扉を自動開閉式・回転式等にする。
- 開放式の出入口にエアカ―テンを設備する。
- 入口にエアシャワ―を設備する。
- 入口で衣服・靴・物品などのほこりや泥を払い落とす。
- 入口にマットは敷く。
- 衣服や靴を脱ぎ替えるかまたは靴カバ―・上着等を用いる。
問題147
床みがき機に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- 自動床洗浄機は、洗剤供給式床みがき機とドラム式真空掃除機とを結合したものである。
- 凹凸のある床面には、研磨粒子が付着したパッドを付けて洗浄する。
- 床みがき機のブラシは、直径60cm以上のものが多く使われている。
- 超高速バフ機の回転数は、毎分1,000~3,000回転である。
- 超高速床みがき機は、通常、カ―ペット用シャンプ―クリ―ニングを行うことができる。
答え【4】
正しいのは(4)です。超高速バフ機は主にドライメンテナンス作業で使われます。(1)は名前の通り床を自動洗浄する機械で、洗剤供給式床みがき機と吸水式真空掃除機とを結合したものである。
(2)は凹凸のある床面には、研磨粒子が付着したブラシを付けて洗浄する。
パッドは一般に平らな床面で使用され、用途によって各種硬度のものがあり、色分けによって区別して使われています。
(3)は床みがき機のブラシは、直径20~50cmのものが多く使われている。
(5)は超高速だと繊維による抵抗が増すため、通常はカ―ペット専用の低速回転を使用する。
(3)はブラシの直径は8、12、14、16インチがある。
問題148
カ―ペット洗浄用機械、器具に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- 洗剤供給式床みがき機は、化学繊維のタフテッドカ―ペットより、ウ―ルのウイルトンカ―ペットに適している。
- ドライフォ―ム方式の洗浄機は、洗剤液を泡にし、縦回転ブラシで洗浄する。
- パイルの奥の土砂は、カ―ペットスイ―パで除去する。
- スチ―ム洗浄機は、温水を噴射して汚れを分解する。
- エクストラクタは、ノズルから泡を噴射して洗浄し、直ちに吸引する。
答え【2】
(1)は洗剤供給式床磨き機は、洗浄効果が大きいが、パイルを損傷する恐れがあるためウ―ルのウイルトンカ―ペットよりもむしろ化学繊維のタフテッドカ―ペット等の洗浄に適しています。ウ―ルのウイルトンカ―ペットに適しているのは、ロ―ラブラシ方式の機械です。
(3)のカ―ペットパイルの奥深く入り込んだほこりの除去に適するのは真空掃除機です。
カ―ペットスイ―パとは手で前後に動かすことによってカ―ペットのごみを掃き取ることができる。
(4)のスチ―ム掃除機は高温の水蒸気で汚れを分解します。(スチ―ムとは蒸気の事ですよね。)
(5)の作杖の先端にあるノズルから洗浄液を噴射して、直ちに吸引口から吸引する構造になっており、これをカ―ペット上で操作することによって洗浄が行われる構造となっている。
パイルとは?
カ―ペットの表面を形成している房状の立毛毛足。
ウイルトンカ―ペットとは?
機械織か―ぺットの代表的なもので、2色から5色の原糸によって模様が織り出される。
素材は、純毛または混紡で、パイルの密度も細かく、厚手のカ―ペット。
タフテッドカ―ペットとは?
ポリプロピレン等の基布にパイルを機械で植えつけ、脱落止めに裏面からラテックスを塗布したカ―ペット。
問題149
清掃作業に使用する洗剤に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- 床や家具の洗浄に使う一般用洗剤は、通常、pH4~6の弱酸性である。
- 鉄分を含んだ水あかや尿石の除去には、アルカリ性洗剤が有効である。
- 洗剤の助剤は、界面活性剤の表面張力を高めて洗浄力を向上させる。
- 真ちゅう金物の洗浄は、研磨済入り洗剤を使用する。
- リノリウムに付着した油汚れを除去するには、アルカリ性洗剤を使用する。
答え【4】
(1)の一般用洗剤は万能洗剤ともいいます。陰イオン系・非イオン系の界面活性剤を併用し、これにケイ酸塩等の助剤を配合してあり、通常pH9~11のアルカリ性である。
(2)は鉄分を含んだ水あかや尿石の除去には、酸性洗剤が有効である。
(3)の助剤はビルダと呼ばれ、洗剤の効果を高め、その効果を補うものである。
特徴は以下に示します。
- 界面活性剤の表面張力を低下させ洗浄力を高める。
- 水の酸性・アルカリ性を調整する。
- カルシウム・マグネシウムを封鎖する。
- ミセル(分子の集合体)を低い温度でつくる。
- 汚水の再付着を防止する。
問題150
剥離剤の性質及び使用法に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- 塩化ビニ―ル系床材に変色などの影響を及ぼす。
- フロアシ―ラを容易に剥離できる。
- 酸性で、樹脂床維持剤の皮膜を溶解する。
- 木質床材に変色や組織の破壊などの影響を及ぼす。
- 剥離剤を使用後、すすぎ拭きは1回とし、樹脂床維持剤を塗布する。
答え【4】
(1)は塩化ビニ―ル系床材に変色などの影響を及ぼさない。塩化ビニルは耐洗剤性に優れています。
(2)のフロアシ―ラとは床仕上げ材(床材)の保護と美観の向上に使用される化学製品で、乾燥後に皮膜を形成し、物理的・化学的方法により、容易に除去できない製品群をいう。
(3)はアルカリ性で、樹脂床維持剤の皮膜を溶解する。
(5)は樹脂床維持剤を再塗布した際に皮膜をつくらず、粉化する可能性があるため、すすぎ拭きを十分に行うか、リンス剤で中和すること等が必要である。
剥離剤は床面に塗布した樹脂床維持剤の皮膜を除去するための洗剤で、他の洗剤とは成分が異なり、低級アミンやアンモニアを主剤とし、これに界面活性剤が添加されたアルカリ性のものである。
このため、ゴム系、リノリウム系等の
床材に変色・ひび割れなどを生じる恐れがあり、使用者の皮膚をおかす危険もある。更に床面に剥離剤が残留していると、樹脂床維持剤を再塗布した際に皮膜をつくらず、粉化する可能性があるためすすぎ拭きを十分に行うか、リンス剤で中和すること等が必要である。
買い物は楽天市場