平成28年度給水及び排水の管理「過去問題解説7」
問題136
ちゅう房排水除害施設に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 生物処理法は浮上分離法に比べて、ランニングコストが高い傾向にある。
- ちゅう房排水のBOD及びSSは、その他の雑排水よりも高濃度である。
- 除害施設を設置する目的の一つとして、下水道の閉塞防止がある。
- 浮上分離法としては、一般的に加圧浮上法が用いられる。
- 悪臭成分が多く発生するため、処理施設の臭気対策が必要となる。
答え【1】
浮上分離法は生物処理法に比べて、ランニングコストが高い傾向にある。以前は浮上分離法が主流であったが、発生汚泥量が多く、ランニングコストも生物処理法に比較して高いため採用されなくなった。
生物処理法は一般的に酵母菌や油分離菌を用いた処理法です。
浮上分離法は凝集剤を添加して加圧浮上槽で加圧した気泡と、凝集剤を接触させて浮上分離させる加圧浮上分離法が一般的である。
(2)ですが
水質項目 | 雑排水 | ちゅう房排水 |
---|---|---|
pH | 5.0~9.0 | 5.0~9.0 |
BOD[mg/L] | 50~100 | 300~800 |
COD[mg/L] | 50~100 | 200~300 |
SS[mg/L] | 50~100 | 300~600 |
n-Hex[mg/L] | 50~100 | 150~200 |
問題137
浄化槽法に規定されている浄化槽の定義に関する次の文章の[ ]内の語句のうち、誤っているものはどれか。
[ (1)便所 ]と連結してし尿及びこれと併せて[ (2)雨水 ]を処理し、下水道法に規定する終末処理場を有する公共下水道以外の放流するための[ (3)設備又は施設 ]であって、同法に規定する公共下水道及び[ (4)流域下水道 ]並びに廃棄物の処理及び清掃に関する法律の規定により定められた計画に従って市町村が設置した[ (5)し尿処理施設 ]以外のものをいう。
- 便所
- 雨水
- 設備又は施設
- 流域下水道
- し尿処理施設
答え【2】
浄化槽法第二条(定義)
浄化槽 便所と連結してし尿及びこれと併せて雑排水(工場廃水、雨水その他の特殊な排水を除く。以下同じ。)を処理し、下水道法(昭和33年法律第79号)第2条第6号に規定する終末処理場を有する公共下水道(以下「終末処理下水道」という。)以外に放流するための設備又は施設であつて、同法に規定する公共下水道及び流域下水道並びに廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第6条第1項の規定により定められた計画に従つて市町村が設置したし尿処理施設以外のものをいう。
であり(2)の雨水が誤りです。やはり浄化槽は雨水を処理するためのものではないです。
問題138
処理対象人員500人、1人1日当たりの汚水量200L(人・日)、流入汚水のBOD200mg/Lの条件において、BOD容積負荷から算出したばっ気槽の有効容量として、最も適当な値は次のうちどれか。ただし、BOD容積負荷は0.2kg/(m2・日)とする。
- 40m2
- 100m2
- 125m2
- 250m2
- 400m2
答え【2】
処理対象人員500人で、1人1日当たりの汚水量200L(人・日)なので1日当たりの汚水量は500 x 200 = 10,0000Lになります。
流入汚水のBOD200mg/Lの条件において
10,0000 x 200=20,000,000[mg]=20000g=20kg
になります。
有効容量=1日当たりの流入BOD量 / BOD容積負荷になりますので
20kg / 0.2kg/(m2・日)=100m3
になります。
問題139
浄化槽の単位装置として採用されているばっ気槽の点検項目として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 水温
- 活性汚泥浮遊物質(MLSS)濃度
- 生物膜の付着状況
- 30分間汚泥沈澱率(SV30)
- 溶存酸素(DO)濃度
答え【3】
(3)の生物膜の付着状況の点検は生物膜法での点検項目になります。生物膜法としては、回転板接触槽、接触ばっ気槽があります。
ばっ気槽は活性汚泥法の生物処理槽です。
単位装置名 | 主な点検項目 |
---|---|
ばっ気槽 |
|
接触ばっ気槽 | 生物膜の生成状況 |
スクリ―ン | 閉塞の状況 |
沈殿槽 | 堆積汚泥の生成状況 |
流量調整槽 | ポンプの作動水位 |
消毒槽 | 沈殿物の生成状況 |
嫌気ろ床槽 | 堆積汚泥の生成状況 |
汚泥濃縮貯留槽 | スカムの貯留状況 |
問題140
消火設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 消化器は、火災の初期発見段階での消火を目的としたものである。
- 泡消火設備は、駐車場や飛行機の格納庫などに設置される。
- 屋内消火栓は、公設消防隊が使用するもので、消防隊専用栓とも呼ばれる。
- スプリンクラ設備は、火災が発生した際に、自動的に散水して初期消火するものである。
- 屋外消火栓には、消火栓弁・ホ―ス・ノズルを内蔵した屋外消火栓箱型と、地下ピット格納型、地下スタンド型がある。
答え【3】
屋内消火栓は「消防の用に供する設備」になり建築物の関係者や自衛消防隊が初期消火を目的として使用するもので。加圧送水装置、消火栓弁、ホ―ス、ノズル等で構成されています。消防隊専用線と呼ばれるのは、「消火活動上必要な施設」に含まれている連結送水管です。
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