平成28年度建築物の環境衛生「過去問題解説3」
問題31
アスベストに起因する疾患として、最も適当な組合せは次のうちどれか。
ア 悪性中皮腫
イ 過敏性肺炎
ウ 肺癌
エ 肺繊維症
オ 気管支喘息
- アとイとウ
- アとウとエ
- アとエとオ
- イとウとオ
- イとエとオ
答え【2】
この問題は不適当なものを探すほうが早いですね。イの過敏性肺炎とオの気管支喘息はアレルギ―疾患ですから残りの
ア 悪性中皮腫
ウ 肺癌
エ 肺線維症
になると思います。
- 令和2年問題30
- 平成29年問題28
問題32
室内空気環境に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 良好な室内空気環境を維持するためには、1人当たり10m3/h以上の換気量が必要である。
- 室内環境下では、窒素の人体への健康影響はない。
- 労働安全衛生法に基づく酸素欠乏症等防止規制では、酸素濃度が18%未満を酸素欠乏と定めている。
- 二酸化炭素濃度は、室内空気の汚染や換気の総合指標として用いられる。
- 窒素は、大気の約78%を占める。
答え【1】
10m3/h以上では換気量不足です。通常換気量が30m3(人・h)あれば良好な室内環境が維持されているとみなしてよいと思います。
ここに参考資料を掲載しております。
ここにも、推奨される換気の方法にも必要換気量(一人当たり毎時30m3)との記載がされています。(5)については
清浄空気の組成
- 窒素・・・・・・78.1%
- 酸素・・・・・・20.93%
- アルゴン・・・・0.93%
- 二酸化炭素・・・0.03%
問題33
一酸化炭素に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 我が国では、大気汚染物質としての濃度は増加している。
- 酸素よりも200倍以上強いヘモグロビン親和性をもつ。
- 石油や都市ガスなどの不完全燃焼で発生する。
- 無臭の気体である。
- 血中の一酸化炭素ヘモグロビンの濃度が5%未満では症状はみられない。
答え【1】
(1)は自動車の排ガス規制などにより濃度は低下しています。一酸化炭素
一酸化炭素は無味無臭の窒息性のガスで、ヘモグロビンとの親和力は酸素の200倍以上
濃度[%] | 症状 |
---|---|
0~5 | 無症状 |
10~20 | 前頭部が締め付けられる感じ、時には動作により軽度の呼吸困難を示すことがある |
20~30 | 側頭部に軽度ないし中等度の拍動性の頭痛をきたす |
30~40 | 激しい頭痛、回転性のめまい、悪心、嘔吐、脱力が出現し易刺激性や判断力の低下、動作時失神をきたす |
50~60 | 時にけいれんや無呼吸期を伴うチェ―ンスト―クス型呼吸とともに昏睡を示すことがある |
60~70 | 昏睡とともにけいれん、呼吸抑制をきたす、時に死亡することがある |
70~80 | 呼吸中枢の抑制により死亡する |
- 一酸化炭素は空気より若干軽いので床近くに滞留することはない。
- 不完全燃焼より発生する。
- 一酸化炭素は火を着けてやれば空気中で青い炎を上げて二酸化炭素になるが、火源がなければ常温で酸素と反応して二酸化炭素になることはない。
- 高い濃度の一酸化炭素は急性中毒を起こすが、低濃度であっても、長期曝露によって慢性中毒を起こす。
- 一酸化炭素の人体への影響は、一般に一酸化炭素濃度と曝露時間の積に関係する。
- 血液中の酸素の運搬を阻害する。
- 一酸化炭素のビル管理法の環境衛生基準は、100万分の10以下、すなわち10ppm以下である。
ただし、特別の事情がある場合20ppm以下である。
ちなみに事務所衛生基準規則では50ppm以下である(空調設備を設けている場合はビル管理法と同じ基準値)。
問題34
音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 会話の音声レベルが距離1mで55~65dBの時に、騒音レベルが45dB以下であれば、十分な了解度が得られる。
- 聴覚系の周波数特性で補正した尺度をA特性音圧レベルという。
- 可聴範囲の上限周波数は、約20kHzである。
- 加齢に伴い低い周波数領域から聴力低下が起こる。
- ヒトの聴覚が最も敏感な周波数は、4,000Hz付近である。
答え【4】
(4)は高齢者は、高い周波数の音は聞き取りにくい。(加齢による聴力の低下は高い周波数から始まり、一般に聴力の低下の度合いは女性より男性のほうが大きい。)音に関する
- 人の耳が音として聞こえる周波数はおよそ20~20000Hzである。
- 人の耳に感度(敏感)のよい周波数は4000Hzである。
- 高齢者は、高い周波数の音は聞き取りにくい。(加齢による聴力の低下は高い周波数から始まり、一般に聴力の低下の度合いは女性より男性のほうが大きい。)
- オクタ―ブとは2音の周波数が2倍になる間隔をいう。
- 普通の会話で使われている音声周波数は90Hz~4000Hzの範囲である。
- 令和2年問題33
- 令和元年問題31
- 平成27年問題32
問題35
LED(発光ダイオ―ド)の性質に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 熱に強い
- 小型軽量である
- 白色光光源として利用できる
- 指向性が強い
- 高効率・長寿命である
答え【1】
LED(発光ダイオ―ド)は熱に弱いです。LED照明
LED照明とは、発光ダイオ―ドの光電効果を利用した照明のこと。
- 熱には弱い(あまり強くない。)
- 高効率・長寿命
- 指向性が強い
- 小型軽量
- 白色光(可視光線のすべての波長の光を均等に含む光)光源として利用できる。
- 令和2年問題35
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